教師のすすめ。 学校が辛い、悩める先生の希望の光

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修学旅行の夜に・・・。

本日のテーマ

修学旅行の夜に・・・。

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これまで3回にわたり、

木下晴弘先生の話を紹介してきました。

 

ココロでわかると必ず人は伸びる

ココロでわかると必ず人は伸びる

 

 

涙の数だけ大きくなれる!

涙の数だけ大きくなれる!

 

 

 

木下先生の話に、

私はかなり影響を受け、

実際の教育現場でも

先生の真似をすることがよくあります。

 

普段から、

 

生徒のココロに火をつけるには

どんな言葉がけがいいんだろう?

 

と考えるようになりました。

 

 

中でも、

自分の中で、

『これはきちんと伝わったな』

と感じたのたのが、

 

修学旅行の夜の過ごし方の話

 

でした(笑)。

 

もし修学旅行に行かれる機会がある先生は、

是非参考にしていただければと思います 。

 

 

修学旅行の夜というのは、

生徒はテンションが上がりまくり、

かなり興奮しているので、

教員側がいくら

 

『静かにしろ!!!!』

 

と注意しても、

なかなか静かにならないものです。

 

 

実際に私も、

夜中3時まで騒ぐ生徒に、

 

ブチギレて(笑)

 

ものすごく怒り倒した経験もあります。

 

しかし木下先生の本を改めて読み、

怒るのではなく、

生徒達が静かにしたくなるように

ココロに訴えてみよう、

と思ったのです。

 

 

修学旅行の説明をするための学年集会で、

私は次のように話をしました。

 

 

 

『あのさ、先生が初めて、

修学旅行に引率した時の話させてな。

 

その時は先生はまだ、20代前半で、

どっちかって言うと生徒と同世代の感覚だったさ。

 

それで、実は沖縄のホテルで、

同じホテルに三泊したんだけど、

ホテルの支配人さんみたいなおじさんに、

 

『もう少し、

静かにさせてもらえませんか?』

 

って、注意されたさ。

2日目の夜に。

で、正直ね、正直言うと、

 

なんだよ別にいいじゃん!

高い金払ってんだから!!!!

 

 

みたいな気持ちがあったさ。

今考えると、

本当にどうしようもない

クソ馬鹿だな、

って思うけど(笑)、まだ若かったからね。

 

 心から反省していないっていうかな、

そういう気持ちがあったんだよ。

 

でね、

三日目の夜にもまた、

ホテルのおじさんに呼ばれて、

 

『うわっ!また怒られるー!』

 

 

とか思って、

ちょっとドキドキしながら

呼ばれた部屋に行ったさ。

 

そしたらね、

そこに、

 

 

車椅子に乗ったおばあさん

と、その後ろに、多分そのおばあさんの娘さん

がいたんだよ。

 

見た感じ、

そのホテルに泊まってるお客さんで、

 

 

『あっ!この人達がホテルに

クレーム入れてたんだな!』

って、すぐに思ったの。

 

 

『今日もうるさかったから、

直接俺達に文句言う

つもりなんだ・・・!!!』

 

 

って。

 

 

でもね、

全然違ったの。

 

 

 

その娘さんがね、

と言ってもおばさんなんだけど、

 

『わざわざお呼びして、申し訳ありません。

でも、事情を知っておいていただきたくて。

 

実は、私達の家族にとって、

今回の旅行は最初で最期かもしれない、

家族旅行なんです。

 

母は、ずっと働きっぱなしで、

この年までほとんど旅行も行ったことなくて、

病気が分かってから、

ずっと行きたかった沖縄に旅行にしよっか。

せっかくだから、

贅沢して、ちょっといいホテル泊まろうか、

って、こちらのホテルに泊まらせてもらったんです。

 

 

学生さん達が元気なのは、

こちらも元気もらえるんですけど、

母も体調が良くなくて、

やっぱり夜は、

安静に眠らせてあげたいので、

せめて、

12時まわったら、

もう少しだけ静かにしていただくと、

本当にありがたいんです・・・』

 

 

というような、

話を申し訳なさそうにしたのね。

 

 

もう、

その時の俺の気持ち分かる!?

 

自分が情けなくて、

情けなくて、

申し訳なさすぎて、

本当に涙が出そうになったさ。

 

 

自分達のことしか考えてなくて、

その晩、

そのホテルに泊まってる方の気持ちなんて、

全く考えていなかった。

 

 

そのおばあさんの、

おばあさんの家族の、

もしかしたら

最期になるかもしれない

大切な大切な思い出を、

ぶち壊して、

台無しにしてしまった。

 

しかも、

それはもう取り返すことができないことじゃん?

 

それを、

してしまった、

生徒にさせてしまった、

自分の情けなさに、

めちゃくちゃ後悔したの。

とんでもなく後悔したの。

 

 

しかも、

おばあさんとか、

そのおばさんが、

いかにも感じ悪くて、

プリプリ怒ってたらさ、

 

こっちも、

 

なんだよっ!

 

とかって態度とれるけど、

向こうは、

本当にすまなそうに、

申し訳なさそうにしてるんだよ。

 

80とか、90歳のおばあさんが、

こう、

申し訳なさそうにしてるの。

 

 

たまんなくなったよ。

 

 

とどめにさ、

 

その二人が部屋に帰ったあと、

 

ホテルのおじさんに、

 

『おばあさんの病気は、

よくないみたいなんです』

 

 

って言われて、

 

『癌ですか?』とか

何の病気ですか?

とかきけなかったけど、

 

 

本当に

俺は最低だと思った。

 

 

だからね、

みんなにはそんな

想いしてほしくないし、

そんな人間になってほしくないさ。

 

 

みんなはきっとテンション上がると思う。

 

だって、

一生思い出に残る、

大切な1日だもん。

 

でも、

みんなと同じくらい、

もしくは、

それ以上に、

大切な1日を過ごしている人が、

そのホテルにいる、

ということを忘れずに過ごしてな。』

 

生徒はすごく真剣にきいてくれました。

そして、

修学旅行中も、

少しテンションが高いヤツがいても、

 

『おい、他の人に迷惑かかるぞー』

 

なんて、他の生徒が

言ってくれたりして、

 

比較的静かに過ごしてくれました。

 

 

私の話をきいて、

 

 

ココロの中の、

悪い炎が燃え上がるのを、

自分達で消してくれたんだと思います。

 

良かったら、

この話を、

修学旅行に向かう生徒さん達に

してあげて欲しいと思います。

 

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今回のまとめ

ココロの火を消す(良い意味で)